「家具の価格の違い」についてを考えてみました。

お店でお客さまと話をしていると、

家具の値段の違いって何?

っという質問をよく受けます。

家具は、服飾などと違って頻繁に買い替えるわけではないので、いざ買うとなると家具の相場は分かりずらく、そのため価格の違いが分からなかったりします。

多くの場合で価格の違いは材質、構造、品質からくる「耐久性」によって違うのですが、

店頭では、

・国産品だから高品質なので海外生産のモノと比べると価格があがる。。。

とか、

・天然木の無垢材を使っているので、高い。。。

とか、そういうふわっとした説明になってしまいがちなのが実情です。

もちろん。。。当店でもそのような説明になりがちなのですが、

ただ、それだけではお客様には納得して頂けていません。

 

ということで、今日は、家具の価格の違いを「耐久性」ということから話しをしていきたいと思います。

 

具体的な例として、こちらの高山ウッドワークスのSC3K「キャプテンチェア」を使ってお話していきますね。

 

さて、この椅子1脚の価格は

51,700円(税込み・2021年5月現在)です。

安価なモノと比べると、2~3倍の価格になっています。

 

もちろんこの価格には理由がありまして、

 

①日本有数の家具産地、飛騨高山の家具職人が国内最高峰の品質で作られる。

 

②飛騨高山の家具というのは、日本で唯一、椅子づくりから始まった家具の産地で、丈夫で軽い椅子を作る技術力に長けている。

③椅子づくりに使われる「曲木」(木を蒸して木を曲げること)とか「座ぐり」(座面がお尻にフィットしやすいように木をくり抜くこと)技術力は、他の産地と比べるとても高く、また抜群の座り心地を実現している。

※曲木 主に椅子の背もたれなどに使われることが多いです。

※座ぐり 椅子のシートの部分に使われます。

④釘やビスを使わず、木組みだけで組み上げていくため、充分な強度を出せている。

 

④木を知りつくした熟練の職人が良質な材料を選ぶ、目利きの技術が優れている。

などなどがあげられます。

 

 高度な技術を持った家具職人が上質な材料を使い、丁寧に作りこんでいくため、高品質で、なおかつ使い心地もいいのが、この椅子の特徴です。

その結果、価格はそれなりのものになっている、ということになります。

 

それでは、商品の材質、構造、作りについては、分かりましたが、この椅子の耐久性はどうでしょうか?

 

5年は使える、それとも10年は持つ、でしょうか?

 

いえいえ、こちらのチェアは一般的なご家庭での使用の場合、20年、30年は十分に使えることができるものととなっています。

(※ちなみに飛騨の家具はすべて10年間の品質保証が付いています。)

 

そうすると、この椅子の耐久性は、価格が半分以下の安価な椅子と比べると、10倍くらいとなります。

 

きちんとした良質の材料を使い、高い技術と手間をかけて作られたものは、価格もあがりますが、耐久性も高くなります。

 

ここで注目して頂きたいのですが、

 

価格は2倍、3倍とあがりますが、それ以上に耐久性は10倍近く変わってくるということです。

もちろん、使い心地も良いです。

 

これに基づいて、使用期間から椅子の価値を考えると、仮に51,700円の椅子を20年使ったとすると、1年間当り2,585円となり、椅子1脚の価格と時間の効率はぐっと良くなります。

 

 さらに長く使うことで得られる愛着や満足感なども考えると、51,700円という価格だけでは計り知れない価値が生まれてきます。また、長く使うということは、限りある資源を大切使い、廃棄というゴミを出さないという点においも、これもサスティナブルでもあります。

 

このように家具を選ぶ時には「耐久性」は、絶対的な要素となり、それは当然価格に反映されます。

これは、価格が高い=耐久性が高いということではなく、価格に対して見合うだけの耐久性があるかどうかは、きちんと見極めなければいけないということです。。

 

見極める時のポイントは3つです。

➀どこで、どんな人が作っているのか。

②どういう作りなのか。

③どういう材料を使っているのか。

上記の3つをきちんと確認して、価格に見合った耐久性のある家具を選んで頂きたいと思います。

 

 私たち売り手も、買い替える必要が無い、長く愛着を持って使えるもの、そういう商品をはしっかりとご紹介したいと考えています。